ここでは日産フェアレディZ(Z32)の全塗装を紹介します。
この車は自動車雑誌OPTIONのサンプルカーでカッコ良くさりげなく、濁りの無いピュアな
赤に塗る事になりました。通常のメーカー生産にによって塗られている赤は、色の耐久性、
隠ぺい性、コスト等様々な理由から濁りの無い赤にはしにくいものだと思います。
そこで今回のコンセプトとしてフェラーリのロッソコルサより赤く、透明感のある濁りの無い
真っ赤っかに塗装した時の模様をご覧下さい。
ここに持ち込まれた時の状態です。 なんとすげ−カラーリング、実はすべてカッティングシートでデコレートしてあります。 このカッティングシートはフォーミュラ等に使われてる奴でスポンサーが変われば、 カラーリングまで時間を掛けずにチェンジできると言った優れもの。実はしみじみと 真近で拝見するのは初めてで競技車両意外でも結構使われているようです。 |
最近では、タクシー等のカラーリングでも使われています。看板等とは別のもの。
ところで、もし一般の人がこの方法でカラーリングした場合、
自分も最初は「画期的だなー」などと思ってましたが実は剥がす時に糊は残らずに(ほとんど)剥れるところ
までは良かったのですが、ところどころ針で引っかいたような細い傷が無数に入るのが見られました。
剥ぎ方に神経を使ってやったとしても、うまくいくかは解りません。それから切り抜きでカッターを良く使う為に
ボディ側に傷がついてるのも気になりました。
結果、一般的にはもしカラーリングをこの方法で行い、車を下取りに出す場合に剥がして綺麗にしたつもりでも
査定のプロに掛かったらボディーを仕上げないと商品価値はかなり落ちると判断されると思われます。
サンドペーパーによる表面処理とボディ磨きの組み合わせで新車復活になると思いますが、いずれも
リスクを覚悟しなければいけないと思いました。
全塗装開始
マズは現在の経てつけ具合、凹み、傷等のチェックをし付属部品(ここではバンパー類)を外し
下地の作業に取り掛かります。
この車の場合純正リアスポイラー取り付け部の穴が開いており、その穴埋め作業から始めました。
その作業はOPTION9月号にて紹介されました。
穴埋めでは、うちでは溶接により穴埋めをします。理由は樹脂類で埋める方法もありますが、
その方法だと数年たって行くうちに必ず穴埋め個所の肉痩せ等のひずみが出る為、過去様々な経験から
溶接部分の鉄板の厚さと同じボンデ鋼鈑を穴の大きさに切りそれを溶接する方法を取ってます。
そうすることにより仕上げのパテも極力抑える事が出来仕上がりも抜群です!
スッキリいかなくなってしまいます。 十分なセッティングタイムを取って事前に原色を好みの赤に調色しておいた赤を塗っていきます。 ここでも十分な色どまりと最終仕上げにクリアーを入れる事を考慮しておく必要があります。 ここでも2コート行いました。 リアビュウです。 最後にクリアーコートで仕上げます。色の耐久性、艶などを考えるとクリヤーは必要です。 |
丹念に磨き上げ、外してあったパーツ類を組み付け完成です。 髭が剃れるほどの映り込みと、スッキリと透かしの利いた塗装にビックリするはずです。 ちなみにこれはKATSU−P−ARTのごく普通の全塗装です。 |
洗車が楽しくなりますよー!! |
※この記事は平成12年のものです。