1991年式GOLF2 CLi ブラックリミテッド(2ドア)の全塗装工程を紹介します。


板金塗装屋の小僧時代にかなりの台数を修理した覚えのある車です。
紺系が多かったと思います。それも4ドア。
2ドアは珍しいです。手動サンルーフ付き。

少し懐かしさと同時に作業を進めました。

約18年経っている車体にしてはパッと見の程度は良好です。
両側面には修理した痕跡ありで、塗装は良好。
少しクォーターパネルの歪みが気になる程度。
ゴム類の経年劣化は仕方ないですね。
ヘッドライトはH.I.Dが装備されてます。


バンパーはGTi、GLi用のビックバンパーに変更。
オーバーフェンダーはボディー色に塗装してあります。
本来は梨時の黒(プラスチック色)です。

ホイールのBBSも純正だそうです。

エンブレムは新品純正という割にはあまり程度のよろしくないのがありました。
VWマークは純正は入手困難で新しいモデルのを流用。少し曲面になってます。

フロントガラス、前後ウィンドウウェザーストリップは新品にリアサイドウィンドウ関係は
程度が良好なのでそのまま使うことにしました。

問題は一番交換したいフロントドアのガラスラン、ウィンドモール、は入手困難でした。

ルーフモールはかろうじて手に入りました。かなり高価です。。片側約5万円なり。
サンルーフのウェザーストリップも新品めっけ!
サンルーフ開閉時に少しルーフパネルと干渉します。

問題は内張り(ルーフライナー)でした。
既にメーカー生廃になっており、超入手困難。
内張りが垂れてくるのが当たり前の症状のようで一度張り替えた形跡あり。
古い付き合いのシート屋さんに問い合わせれば、ベースの素材が問題でやりたくないとか・・・・・
ベース素材が糊の溶剤でグズグズになるのだとか。。

とりあえず、トリム類を外した状態にしてガラスが外れたところで天井の内張りを腫れ物を触るように慎重に外す。

べースを壊さないように生地を慎重に剥がしてゆきます。

このライナーは何故かリアピラー部がカットしてあるのが意味不明。

綺麗に剥がれました♪
一度折れて直した形跡がありました。

ここまでバラさないと天井は外れません。

クォーターガラスのウェザーストリップは良好なのでそのまま使うことにしました。
修理の際にゴム回りでマスキングする塗装の段付きはこの状態であれば綺麗になるし、
錆の修正も可能ですね。

色々試してみた結果、糊で固める事にしました。
シート屋さんと同じ糊で溶剤沁み込みを防止すると同時に補強も兼ねて、ヘラ木で丁寧に
薄く伸ばすせば溶剤の飛びも早いし、表面も平らになります。
一旦固まった糊は溶剤では溶けませんので新品シートを張る際に糊の溶剤が
沁み込んで悪い事をするのも防げますし、密着も良くなります。

ガラスマットをヤバそうな箇所に補強しました。
装着時に『ポキッ』と欠けるのも防げるし、シート屋さんも安心してイイ仕事をしていただきたいのでね。



前のオーナーがカスタムオーディオを組み込んでいた為、太い配線の通ったバックパネル付近には
多数の穴が・・・・
これを期に全部溶接で埋めました。


裏から見ればこんなふう↓


エンジンルームはエンジンはそのままでフードレッジ回りを
可能な限り手をかけました。
サフェーサーが入る前の状態↓


こちらは反対側↓


で、サフェーサーが入り研いで塗装前の状態↓
勿論、ウォッシュプライマー(リン酸)塗ってからサフェーサー塗ってますぜ!


カウルパネル回りも塗る準備↓


反対側もこのとおり↓


ボディー色が入ってピカピカです♪


ここからは、下地サーフェーサー準備です。


上部の塗装は外見のボケはありましたが下地が出るまで削ると
カチオン電着の下地の状態は良いので残す事にしました。
下地が良好な場合は剥離をし、鉄を空気にさらす事は無意味と考えます。


だいたいの足付けが終わった状態。
塗装の厚みで抜ける歪みは落としてあります。


フロントガラスを外した時に現れた錆びはサンドブラストで除去。


ラインのおかしい所はこの作業で直しておきます。


ルーフもボンネット同様の状態。


サフェーサーを塗った後の状態。


車体全体、サフェーサー完了。





いよいよ上塗り準備です。
この作業でサフェーサーの厚み分、更にひずみを取ります。


ブースに入れてマスキング。


完了。


塗装が終了し、強制乾燥後マスキング剥がしたところ。


これから磨いて組み付け作業です。


シート屋さんに依頼しておいたルーフライナーが出来上がってきました♪
ほんの少しジャガー仕様にして頂きましたよん(^^)/


サンルーフ磨き中。
入庫時にはレールの立て付けが合ってなく、開閉時に干渉して擦り傷が出来てました。
仮付け時には問題を改善してましたが、やはり付ける時は緊張しました(汗)


持ち込まれたグリルは無地だったので、赤を入れることに。


1-SHOTで塗装中。


組み付け終了後、ハイブリットバリア(光触媒親水性ガラスコーティング)を施し、完成です。
末永く、乗って頂きたいと思ってます。

現時点で外装パーツ類はかなり貴重になっております。入手困難なものばかりでした。
ウィンドウモールとかは修復し再利用しました。